土木人IT@Akiba

建設IT・i-Construction・CIM・BIM・IAI・IFC・アセットマネジメント・ストックマネジメント・更生・耐震・浸水・CALS・電子納品・SXF・属性・GIS・3次元・下水道IT・情報化施工

2006年04月

CAD図面の電子納品講座

毎週金曜日の4回に渡り、わたしが書いた「CAD図面の電子納品講座」が建通新聞で連載されました。

一回目は、SXF技術者検定試験を取り上げて、SXFは確実に交換できるフォーマットであり、OCF検定の目的は適正な電子納品のためと書いています。
二回目は、CADデータ交換標準SXFについて正確なデータ再現と長期の保存が可能な点を書いています。
三回目は、CAD製図基準(案)で、事業フェーズの情報共有が可能な点をかいています。
そして昨日の四回目では、電子納品のためのCAD製図として、基準・標準を理解した意識的な作図が必要ということで、何点かの例をもとに書きました。

 読者層は、これから電子納品をやるかもしれない、あるいは、SXFというフォーマットを聞いたことがあるという方々を対象にしています。今回は、SXFの基本的なところの説明と、CADデータの電子納品についての勉強は、受験申し込みが始まっているSXF技術者検定試験の受験もひとつの方法と概要を含めて紹介しています。
このブログを読んでいる方々で、電子納品のためのCADによる図面の作図の仕方やCADデータを電子納品する予定がある方は、次のURL「建設IT」にも掲載されていますので、Web上でご覧いただけます。

http://www.kentsu-it.jp/page211.html

建設CALSの基礎知識

3.建設CALS/EC策定の背景

 ちょっと間が空いてしまいましたが、建設CALSの基礎知識を続けます、今回は、「建設CALS/EC策定の背景」となります。

 公共事業における情報化の推進は、公正で効率的な事業の執行を通じ、公共工事のコスト縮減と品質の確保を図るための有力な手段となります。
 従来の情報化・OA化は個々の必要性に応じて、それぞれの部署単位で行われたものであり、データの表現形式や媒体の標準化が行われず、部署や組織をまたがる情報の交換や共有を実現するまでには至りませんでした。
 一方、情報機器の発達や通信ネットワーク技術の目覚ましい発展により、データ流通・情報交換のための環境が整ってくるなか、国や企業の枠を越えた広い範囲での情報の共有や連携が可能となってきました。

 情報の電子化という点では、当時、世界的に注目されていたCALSという考え方があり、これを公共事業へ適用することが、公共事業の計画、設計、工事、管理の各段階で発生する各種情報の電子化と、組織および受発注者間の効率的な情報共有・活用化を図るシステムとなり、公共事業を支援統合する情報システム実現への早道であると考えられたのです。
そのため、「公共事業支援統合情報システムの構築」=「公共事業版CALSの実現」という観点から、旧建設省は、1995年5月に「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)研究会」を設置し、公共事業の調査・計画・設計・工事・維持管理の各段階で発生する各種の情報の電子化と、関係者間での効率的な情報の交換・共有・連携の環境を創出する「公共事業支援統合情報システム(建設CALS/EC)」の構築に向けた検討を始めました。1996年4月には「建設CALS/EC整備基本構想」を策定し、さらに1997年6月には具体的な実施内容を示す「建設CALS/ECアクションプログラムを発表、テーマごとの目標などが明らかになりました。

流域一貫とした輸送モデル

 月刊下水道5月号のウグイス色のページp5に「出水時の河川における流域一貫とした汚濁負荷と輸送に関するモデル化の検討」が掲載されています。
これは、日本大学の長林教授と東北大学の真野教授、シビルソフト開発の岡田が記したものです。
1.流域一貫とした物質負荷輸送モデル
2.流域の概要と出水特性
3.汚濁負荷・輸送モデルの検討
4.今後の展望
から構成されており、水と浮遊土砂の分布型流出モデルに洪水時の栄養塩類負荷特性を組み込み流域一貫とした解析モデルとなっています。

興味のある方は月刊下水道をご一読ください、また、雑誌が手に入らないようであればシビルソフト開発まで連絡ください。

日本SPR工法協会

建通新聞(4/25版)の総会フラッシュに、日本SPR工法協会のことが掲載されていましたので抜粋紹介します。
協会の会員数は、2005年度末で506会員となり、SPR工法、オメガライナー工法など協会のすべての工法を合わせると施工延長は39万メートルを超えている。また、国の『下水道地震対策技術検討委員会』で管渠更生工法が耐震技術において優れていることが認められたことなどが書かれていました。

下水道機構だより

財団法人下水道新技術推進機構のWeb上で、「下水道機構だより」という連載がスタートしました。
この連載では、下水道機構のレゾンデートル(存在意義・役割)、業務・活動内容、研究成果、審査結果、現況、得意分野、今後の展開などを伝えていくということで、既に次の二件についてアップされています。
連載1:下水道機構の役割、組織、活動状況について
連載2:下水道機構の得意分野

内容については次のURLをご覧下さい。
http://www.jiwet.jp/correspondence/

果たしてCALS/ECは業務効率化に役立つか?

日経BPの家入さんは、日経コンストラクションの元副編集長で知る人ぞ知る方ですが、今月の初めに個人名を冠にしたブログ「イエイリ建設ITラボ」を開設しています。
「建設ユビキタス」をテーマに様々なことを書かれていますが、先週初めに、CALS/ECアンケートが行われ、その中間発表が先日ありました。

アンケートの回答者ですが、半数以上の方が電子納品を実務で行ったという方で、先月発表された国土交通省のCALS/ECアクションプログラム2005の中で関心がある目標はどれかという問に対して三位までがいずれもCAD関係という興味深い結果となっています。

また、異なるCAD間でのデータ交換形式では、SXF形式がDWG形式を抑えてトップになっています。
建設IT読者アンケート「果たしてCALS/ECは業務の効率化に役立つか?」は、今週末の28日(金)まで回答を受け付けていますので興味のある方は是非訪問してみてください。

中間発表ならびにアンケートは、次のURLです。
http://blog.nikkeibp.co.jp/kenplatz/it/ubiq_doboku/089796.html

Autodesk Civil 3D Forum

水道橋にある大塚商会の本社で、「コラボレイティブソリューションセミナー2006」が行われています。昨日は、その中のセミナーで、Autodesk Civil 3Dとそのアドオン製品・・・というのが行われたので聞きに行ってきました。
タイトルにある、Civil 3D Forumとは、3Dという共通のプラットフォームに、建設土木分野における3次元CADデータの有効的な活用を支援するアプリケーションソフトで構成されているフォーラムで、下水道部門としてシビルソフト開発が参加しています。

今日の午後には、「SXF比較検討PARTⅡ!電子納品CADデータ交換・SXF作成ポイント」というセミナーがあり聞きにいってきます。

建設CALSの基礎知識

2.なぜ標準化?

 建設CALSの話しになると必ず出てくるのが「標準化」であり「国際標準」という言葉です。これは、日本が1997年11月にWTO政府調達協定の締結を行い、この締結により本格的な日本市場の開放、市場の国際化の加速が始まったのと無関係ではありません。
 WTO政府調達協定の締結がなぜ、公共事業を取り巻く環境を大きく変えていったのか、それは、政府調達協定においては、「国際規格が存在するときは該当国際規格、国際規格が存在しないときは国内強制規格、認められた国内任意規格又は建築基準に基づいて定める」となっており、技術基準としてISOなどの国際規格の使用が義務づけられたからです。

ISO[International Organization for Standardization]は、国際標準化機構と呼ばれ、国際連合の諮問機関として1947年に設立され、科学技術に関する国際規格の制定を目的としています。
ISOが定めた規格で広く一般に普及しているものには、SI単位系と呼ばれる単位(m、Kg、s、N)や、カメラのフィルム感度、そして、品質保証規格(ISO9000シリーズ)等があります。
少し難しくなりますが、このISOには、STEP[Standard for the Exchange of Product Model Data]という製品モデルデータ交換規格のISO10303があります、これは、製品のライフサイクルを通じ、個々の独立したシステムに依存しない形式で情報の共有、交換を可能とする標準のインターフェイスを提供する規格となっています。
AP201(二次元製図)、AP202(製品モデルと図面表現)、AP203(構成管理設計)といった主に形状モデルを対象にした規格の他、おのおのの産業ごとに製品モデルを交換するための規格からなっています。つまり、CADのデータ交換・納品においても市場の国際化に伴い国際規格であるISO10303の仕様に沿って納めなければならないということになるのです。
CADデータ交換の際にしばしば出てくる語句のAP202とは、ISO10303 Part202のことで、APはApplication Protocolの略となっています。

Isoなぜ、国際規格なのか? 各国において品物やサービスが取り引きされる際に、規格がそれぞれで異なっていると困った問題が起こります。例えば、1メートルと言っても、国によって長さが異なっていたら、物事が上手く運びません。そんなときに「1メートルは、この長さ」という取り決めがあれば、共通のルールのもとに取引を行うことができるからです。そしてこれを守らないと外国から市場を開放していない、技術的障害から外国の参入を排除していると言われることになるわけです。

建設CALSの基礎知識

1.CALSとは?

 公共事業支援統合情報システム研究会が発足し、建設CALSと注目を集めたのが1995年5月ですから、もう10年以上になります。国土交通省の直轄事業における業務及び工事等の成果物の電子納品の全面導入も2004年度には実現しました。
今後は、地方自治体のCALSへの取り組みが加速度的に進むものと思われますが、今まで現実の問題としてあまり意識していなかった電子納品について、そろそろ勉強しようかなと思い始めた下水道技術者の方々が、CALSという言葉や電子入札・納品など断片的には知っているが、こんなこと今さら聞きづらいし、そもそも何を聞いたら良いかよく分からない・・・。
今までのCALSの歴史や動向など基礎知識をまじえながらCALSとは? 標準化とは?について、まず背景から少し書いてみます。

 CALSとは、そもそも1985年に米国国防総省が使い始めたもので、兵器システムの研究開発や調達などを効率的に行うために、データの表現や受け渡しについて業界標準やISO(国際標準化機構)の仕様を採用したシステムで、「Computer Aided Logistic Support」の頭文字をとった略語として生まれました。
ff3d640a.jpg
兵器システムの運用や支援をするためのマニュアルなどの紙の文書類は膨大な量になり、一説によると戦略爆撃機のマニュアルがその飛行機の重量以上になってしまったとか、膨大なマニュアルを積んだイージス艦の喫水線が数センチ下がった、などはよく言われる話しです。

このような紙のドキュメントの山の中から必要な文書類を取り出すことに時間がかかりすぎるのは、非常時の際に致命的であることから電子データに置き換え、コンパクトに扱えるようにすることが急務となったわけです。
マニュアルの電子データ化が進むと、物品などの調達などについても電子化された情報でやり取りを行うほうが効率的だという認識が生まれ、納入についても関連した企業へ義務づけることよって、企業の情報化に拍車がかかり、双方にとってコストの低下が図れました。これが、CALSという略語を変えずに「Computer-aided Acquisition and Logistic Support」と呼ばれるようになったのです。また、納入する企業側も情報システムの活用により、効率化や生産性の向上という結果を得ることができ、民間においても様々な局面で応用できるということから、[Continuous Acquisition and Life-cycle Support]となり、「C」がComputer-aided(コンピュータによる)からContinuous(継続)に変わり、「L」がLogistic(兵站)からLife-cycle(ライフサイクル)に変わりました。 現在では「Commerce At Light Speed」光速でネットワークを介して世界規模で取り引きを行うと解釈されるようにもなりました。
ただし、ここでいう「建設CALS」のCALSは、[Continuous Acquisition and Life-cycle Support]の略としての意味合いが多く、「継続的な調達とライフサイクルの支援」となります。

Cals

雨水調整池計算

雨水調整池計算(シビルソフト開発)が、本日バージョンアップリリースしました。
バージョンアップの内容は次のような項目になっています。
 1) 簡易式における調整池の必要調整容量計算を追加
 2) 管渠形状の貯留施設を表現できるように設定を追加
 3) 実降雨強度入力で降雨起日及び時刻を表現できるように設定を追加
 4) 厳密解法計算で算出される、グラフ表示の種類及び項目を追加
 5) 計算書に厳密解法の計算例を追加

・簡易式は、厳密解法で調整池の規模を設定する前に概略の容量を把握しておきたいときの計算法で、調整池の流入量と放流量のピークのみで計算します。
・貯留管の設定は、「円形管」「矩形管」の2つの形状から選択でき、勾配のついた管渠を用いて貯留計算をおこない、時系列の管内水位がグラフにより確認できます。
・実降雨強度入力では、何時の実降雨なのか、降雨の年月日と時刻を追加しました。
・厳密解法計算における「ハイエト-水位グラフ」表示と「水位-放流量グラフ」に流入量と放流施設ごとのグラフが表現できるように追加しました。
・調整池水位がピークとなるタイムステップの計算過程の概要を一例で表記します。

保守サービス加入ユーザのバージョンアップ料金は無料。

詳細は、次のURLをご覧下さい。
http://www.civil.jp/news/index.html#news060412

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ